2019.08.16

  • マーケティング

医療広告ガイドラインに注意!歯科医院のホームページNGワード

はじめに

歯科医院をはじめ、医療関係のホームページを制作する際注意しなければならないポイントの一つに、表記があります。

医療広告のガイドラインに基づき、正しい表記を行う必要があるのですが、こちらでは歯科医院のホームページNGワードについてご紹介します。

医療広告ガイドラインとは

では医療広告のガイドラインについて、概要を見ていきましょう。

医療広告ガイドラインとは何か

医療広告ガイドラインは、人の健康や命に関わる治療や施術などを行う医療機関を対象にした広告のガイドラインです。

2018年にガイドラインが改訂され、医療機関のホームぺージにおける表現の禁止事項が盛り込まれたことで、広告だけでなくWebサイト上の表現にも注意が必要になりました。
医療広告ガイドラインの対象は医業か歯科医師業にかかわるすべての病院、クリニックが対象です。

ガイドラインはなぜ存在するのか

患者保護のためにガイドラインは存在します。
医療機関の広告については、医療を受ける患者の保護という観点から、医療法と、薬機法、景品表示法をもとに作られたガイドラインによって、医療サービス提供者に対しその広告表現に制限を設けています。

なぜ2018年に医療広告ガイドラインが改訂されたかというと、それまではホームページ上の表現については規制の対象ではなかったため、端的に言うと「ひどい」表現を行うサイトが多った、という背景があったからです。

ガイドラインに違反するとどうなる?

医療広告ガイドラインに違反した場合、どんな罰則があるのでしょうか。
以前の判断基準である、医療機関ホームページガイドライン上で基準違反があった場合には罰則はなく、行政指導という形で指摘が行われていました。

しかし今回の改正医療法を基準とした医療広告ガイドラインによって、ホームページの表記が違反すると判断された場合、是正命令が下ります。その命令を無視して掲載し続けた場合、罰則が与えられてしまうのです。
虚偽広告の場合、懲役6ヶ月以下または罰金30万円以下という刑事罰が下ることも…。

歯科医院のホームページガイドライン対策

歯科医院のホームページで避けるべき表現・表記のポイントを紹介します。こちらを参考に現在のサイトを確認してみてください。

避けるべきポイント

歯科医院のホームページで避けたい表現・表記には以下のようなものがあります。

  • 治療を受けた人の体験談(ビフォーアフター)
  • 最高/日本一を謳う表現
  • 人気の歯科医など、ほかの歯科医院との比較表現
  • 安さを強調する記述
  • メディアで紹介されたなどのキャッチコピー
  • 芸能人/著名人の来院
  • 治療効果の保証
  • 安全
  • たった○○日で治療が終わる
  • インプラント科、審美歯科など正式に認められていない標榜科目を掲載(条件を満たせば記載ができる)

限定解除表現についてはこちらをご確認ください。

【医療広告ガイドラインに関する Q&A】
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000213349.pdf

上記表現を踏まえ、現在のサイトを確認してみてください。
もしも問題点や不明点があればまとめておき、ホームページ制作会社に代替案を相談するなど対応を行います。

突然の変更にも注意

ちなみにガイドラインの内容は早ければ数か月、遅くとも数年に一度といったペースでアップデートされます。突然の変更もあり得ますから、定期的にウォッチして変更があれば内容の修正なども必要になってきます。医療広告や表現に関する情報は常にニュースをチェックしておくと安心です。

具体的にどんな表現がNG?

具体的にどんな表現をした場合、ガイドラインに抵触してしまうのか見ていきましょう。

体験談

「私は2年前、A歯科で歯の矯正治療を受けました。あまり痛みがなく仕上がりに満足しています」

“患者その他の者の主観又は伝聞に基づく体験談を広告してはならないこと”とガイドラインに表記があるように、ほかの患者に誤認を与える恐れがあるため、体験談はNGとされています。

ビフォーアフター

美容クリニックのサイトなどで、治療前→治療後といった形で写真が掲載されているケースがありますが、十分な説明がないままにただ写真だけを掲載するのはNGです。

安全、治療、効果に関する表現

「絶対安全な抜歯」「無痛治療」「感染症の心配はありません」「再発がない虫歯治療」「1日で治療がすべて終わります」「出っ歯は矯正で治療できる」などの表現は×

虚偽・誇大・比較優良

「地元No.1の歯科医院」「ほかの歯医者さんと比べてみてください」「日本屈指」などの表現は×

価格

「今ならキャンペーン中!」「無料キャンペーン」「矯正20万円オフ」などの表現は×

紹介

「芸能人の○○さんも当歯科を利用しています」「○○新聞で当医院が紹介されました」などの表現は×

ガイドラインに抵触しないホームページ作り

ガイドラインばかりに気を取られると、コンテンツ自体の魅力や訴求力が落ちてしまう可能性があります。

それだけに医療系のホームページを作る際は柔軟な発想や経験値は不可欠のスキルです。
ではどのようにサイトを作っていくとよいのでしょうか。

広告規制限定解除表現をうまく使う

広告規制限定解除表現とは、歯科医院内で患者が手に入れられるパンフレットや、医院のホームページのように、患者が能動的に求めて取得する情報については、広告規制の基準から外れることを意味します。

限定解除はホームページやパンフレットなどに限られ広告は対象外です。こちらをうまく使えば読み手の悩みや疑問に響くコンテンツを作ることができます。

ただしこの限定解除表現に準拠するためには、歯科医院の連絡先を明記すること、治療内容を詳しく書く、費用を記載する、リスクや副作用などを記載するなど必須事項があります。

インプラントや審美などの施術メニューをお持ちの医院では、集患にはこうしたウリとなるメニューのアピールが欠かせません。詳細を網羅したホームページの表記・表現が求められるので、制作の際はしっかりと頭に入れておきましょう。

医療ビジネスに詳しい制作会社に依頼する

ホームページ制作会社の中でも医療ビジネスに詳しい制作会社へ依頼すると、制作過程でのやり取りや公開後のメンテナンスもスムーズになります。

知識や経験があるとない場合の対応差は雲泥の差と言ってよく、ストレスなく制作を進めたい場合は専門知識のある会社を選ぶと良いでしょう。

まとめ

ここまで医療広告ガイドラインについてご紹介しました。
ホームページを制作する際は、ガイドラインに基いた表記やコンテンツが掲載されているかよく確認したほうが良いでしょう。ホームページ制作のプロが薬事法などのプロは限りません。専門知識のある制作会社に対応してもらうと安心ですね。